犬といっしょに  発見とまなびの散歩道

犬と暮らす、愛と発見の記録。大切なことは、いつも犬が教えてくれる。

「褒めてるのに通じてないかも…」|“伝わる褒め”の基本をやさしく解説

「犬は褒めて育てるといい」

──そんな言葉を耳にしたことがある方も多いと思います。

 

でも実際にやってみると、

• 褒めても反応がない

• 褒めてるつもりなのに通じてない気がする

• どう褒めればいいのかよくわからない

 

そんなモヤモヤが出てくることも。

 

この記事では、「犬にとって褒めるとはどういうことか?」を、行動の仕組みに触れながらやさしく解説します。

 

 



 

1】犬は「言葉の意味」を理解していない

 

「いい子だね!」「すごいね!」

私たちには褒めことばとして自然でも、犬にとってはただの“音”。

 

犬は人間の言葉を意味で理解しているわけではありません。

でも、そのあとに嬉しいことが続くと、「この音=いいこと」と覚えていきます。

 

 

2】最初に伝わるのは「正解がわかった!」という感覚

 

犬が最初に感じているのは、「褒められた!」ではなく

「これをしたらいいことが起きた!」という“予測の成立”です。

 

この成功体験の積み重ねが、「この行動=よいことが起きる」と教えてくれます。

つまり、“正解がわかること”が第一歩なんです。

 

 

3】褒めが嬉しくなるのは、関係性が育ってから

 

褒めことばそのものがうれしくなるのは、人との関係性が積み上がってきたあと

 

飼い主が笑ってくれる、そばに来てくれる、撫でてくれる。

そういったやりとりが報酬となっていくうちに、褒められること自体がごほうびになるんです。

 

ちょっと寄り道:褒めの“すごい力”が科学的にもわかってきました

最近の研究では、「食べ物だけのごほうび」よりも、「褒められる+ごほうび」がセットになったときのほうが、犬はよりよく覚えていたという結果が出ています。

 

なぜかというと、「褒められる」という体験がうれしい感情をともなう記憶として残ることで、学習そのものが強化されていたのです。

 

さらに驚くのは、そのあとにとった睡眠が、このうれしい記憶をさらに定着させていたこと。
(人間でも、感情をともなう記憶ほど、寝ている間に深く残ると言われていますよね。)

 

このことからも、「褒めても意味ないのでは?」と思っていた飼い主さんにこそ、
“褒め”には力があることを、ぜひ知ってもらいたいのです。

 

※参考:Rooijakkers et al., 2024, Scientific Reports

 

 

4】「人が思うごほうび」ではなく「犬が嬉しいもの」を

 

ここで忘れてはいけないのが、「ごほうびは犬目線で」ということ。

• お肉?

• おもちゃ?

• ナデナデ?

• 飼い主さんの笑顔?

 

あなたの犬さんが「これ嬉しい!」と感じるものを知っておくことが、伝わる褒めの土台になります。

 

 

5】よくある褒め方と、ちょっとした注意点

 

● 褒めことばだけで終わる

 

→ ごほうびとセットにしよう。

 

● 行動が終わったあとに褒めてしまう

 

→ 最中か直後に。はじめは3秒以内!

 

● 撫で=うれしいと思い込んでる

 

→ 撫でが苦手な子も。犬の反応を見て選んで。

 

● 大声でテンション高く褒める

 

→ 怖がりさんにはやさしい声でOK。テンションは犬に合わせて。

 

f:id:aarotan:20250509195205p:image

 

 

6】どんな褒め方にも共通する大切なこと

 

すべての褒め方に共通して大切なのは、飼い主さんの“表情”です。

 

犬は人の顔の表情をとてもよく見ています。

言葉以上に、「笑っているかどうか」で空気を感じ取っています。

 

だから──

どんなときもスマイルで。

 

やさしい声、うれしいごほうび、そしてあなたの笑顔。

この3つがそろえば、あなたの「伝えたい」は、きっと犬に届きます。

 

 

【まとめ】

 

「褒める」とは、犬に「正解!」を伝える合図です。

 

はじめは、『行動→褒めことば→ごほうび』のつながりをつくり、「これをしたら良いことがあった!」という体験を重ねること。

 

そこに飼い主さんの思いや関係性が重なって、

やがて「褒められることそのものが嬉しい」に育っていきます。

 

まずは、あなたの犬さんの“うれしい”を探すことから、はじめてみてください

 

 

 

褒めが伝わる5つの実践ステップはこちら

 

endlesshappypaws.hateblo.jp

 

☟“読んだよ”の代わりに、ポチ(クリック)で応援してもらえるとうれしいです

にほんブログ村 犬ブログへ
にほんブログ村